掃きだめにアラサー

みんな大人になっていく。わいだけを残して…

永らえば またこの頃やしのばれむ 憂しとみし世ぞ 今は恋しき

 

新古今和歌集、藤原清輔朝臣の歌である。

ざっくり和訳すると、以下。

 

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長く生きていれば 辛い今日のことも

懐かしく思うのだろうか、

辛いと思っていた昔の日々も今となっては恋しく思えるのだから。

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今まさにこの気持ちである。

転職して早2ヶ月。

180度違う会社に入ったわけだが、

転職したことを後悔してはいない。

 

キャリアアップできたし、人間らしい生活を手に入れた。

もともとやりたかったことを出来る最大のチャンスだったし、パワハラセクハラとは無縁の環境になった。

 

それでも過去が尊く思えるときもある。

キツかったけど、その分がむしゃらだったし命燃やして仕事していた。

とにかく盛り上げたカラオケ、飲み会、深夜の校了、オールでダーツ、朝5時のコメダ珈琲…。

そして大好きだった仕事…。

嫌なことは死ぬほどあったけど、楽しかったこともたくさんあった。

だってはじめての会社で、はじめての社会人生活だったんだもの。

 

人は取捨選択の中で生きていく。

わたしは最大のチャンスを掴むために、捨てたのだ。

そう思うとやはり胸が軋む。

こんなときに別れ際の大好きだった上司の言葉を必死に思い出すようにしたい。

「キャリアを捨てるんじゃない、増やすんだろ」

出来ることが、増えていく。

そう、ポジティブに考えたいけれど…。

 

こんなにセンチメンタルになるのは

時間があるからなんだよね。

 

毎日ガチガチに仕事していければ、今目の前にあることしか考えられなくなるはず。

 

早くそうなれるように頑張ろう…。

 

 

永らえば  またこの頃や  しのばれむ

憂しとみし世ぞ 今は恋しき