掃きだめにアラサー

みんな大人になっていく。わいだけを残して…

ぼくを置いていくんだね、ウェンディ。

突然だがピーターパンの結末をご存知だろうか?

ディズニーではない、原作の方だ。

以下ざっくりお伝えする。(翻訳によって違うが、わいによる曲解もある)

 

フック船長の件が片付いた後、ウェンディたちは親が待つロンドンに帰ることに…。

ネバーランドにいた他の子供たちも彼女についていく。

しかし、ピーターだけは「大人になりたくない」と言って誘いを断り、残ることになる。

ここでウェンディとピーターパンは切ないお別れ……。

 

数十年後、すっかり大人になったウェンディは娘のジェーンを寝かしつけようとしていた。

そこに窓際から懐かしい少年が現れる、

「ぼく、ピーターパン!一緒にネバーランドへいこうよ!」

当然、ウェンディは思い出の彼との再会に「ピーター!!」(喜)となるわけであるが、

その時のピーターパンの反応。

「誰だお前は!!!!!」

 

「え…?」と戸惑うウェンディにピーターは、

「ぼくはお前みたいな大人なんて知らない!!!」

と激しく拒絶する。

そしてピーターはウェンデイを華麗にスルーして、娘・ジェーンと飛び立っていく。

ウェンディは何も言わず、その姿を見守っていた……。

 

ディズニーでは、「大人になりたくない」という子供たちが

なんだかんだ「大人になりたいな★」という素敵な気持ちになれるアニメに仕上がっていた。

しかし原作では「大人になれた人」と「大人になれなかった人」という対立が最後に描かれており、非常に胸に刺さるものとなっている。

 

申し遅れたが、私はピーターパン症候群の末期患者である。

 

もう立派なアラサーではあるが、

いまだに「大人になりたくない…」とぼやいてる。

(ちゃんとした友達にこれを言うと、キョトン顔で「もう大人じゃん??」と返される)

体も見た目も社会的地位も確実に大人のはずなのに、まだジブリの主人公になれると信じている。

ラピュタに行く感じの方のジブリである

 

しかし友人たちが結婚、出産と着実に大人になっていく中で、自分だけが取り残されたような、まさにピーターの気持ちを味わっていた。

 

そんな気持ちをいつだって共有してきた、大親友がいる。

一緒に大人になりたくないとぼやき、くだらないことで永遠に笑い合い、毎年旅行にいく唯一無二の友である。

 

 

 

そんな彼女から本日、結婚の報告を受けた。

 

 

 

 

非常におめでたいことであり、親友として

心から嬉しく思う。

彼女との思い出は結婚式の前後に語るとして、今回は私の心の中にいるピーターの話をさせてくれ。

 

 

 

ピーターはやはり思った。

 

 

ウェンディ、君も行ってしまうんだね…。

 

 

ピーターはウェンディがリア充の香りがする、素晴らしい人間であると知っていた。

ロンドンからやって来たウェンディとネバーランドの住人である自分とでは、人種が違う。

いつか別れがくることは薄々気がついていたのだ…。

 

一人残されたピーターの寂しさ、

痛いほど分かる。

今なら犬か猫を飼って、思わずティンクと名付けてしまいそうだ…。

 

いつかの日、原作の二人のようになってしまうかもしれない。

ピーターを見守るウェンディの目は、どう考えても哀れみで溢れていたとしか思えない。

 

 

親友は結婚し、いつか子供ができ、大人になっていくであろう。

私とは住む世界が違くなり、疎遠になってしまうかもしれない。

いつまでも大人にならない私に哀れみの目線を向けるかもしれない。

あまりに大人になった親友に、わいが「そんなお前知らない!!!!!」と拒絶反応を起こすかもしれない。

 

 

それでも楽しかった日々や、親友であること、一生忘れないし、どうか忘れないでほしい。

 

 

 

 

 

我ながら重くてビビる。

こんな友情に重くてわい大丈夫??

病気で死んでいくヒロインの日記ばりになってしまった。

 

 

とかく女という生き物は、立場の違いによって友情が変化してしまう。

アラサーになりひしひしと感じる今日この頃であるが、やはりそんな時こそ思い出が大切だと感じる。

立場や関係が変わっても、思い出は変わらないから。

 

 

 

 

最後に、原典のピーターは割とサイコなので、ネバーランドにいた子供達が大人になっていくたびに殺していたそうだ。

(だからネバーランドには子供しかいない)

それぐらい大人になりたくない過激派であった。

さすがにわいは、大好きな友人たちの未来を邪魔するような人間にはならないとここで誓っておく。

わい自身が大人になれる日は…果たして来るんだろうか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーターパンについては小論文が書きたくなるくらい考察ができそうで面白いので、ぜひ小説を読んでみてほしい。

はじめての人には新潮社から出ている「ピーターパンとウェンディ」がオススメ!